2010.02.15

世界で最も有名な路線図 『ロンドン地下鉄路線図』

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去年の10月に発売された、雑誌Pen 2009年11/15号 (No.256)にて「未来に残したい50の傑作『世界デザイン遺産』」という特集企画がありました。

20世紀に入ってから現在に至るまで、約100年の間にデザインされ、
いまもなお、現役のデザインとして活躍している50の傑作をピックアップ、
これからも残しておきたい「世界デザイン遺産」として認定した。

という企画なのですが、安藤忠雄の地中美術館をはじめ、Adrian Frutiger制作の『Frutiger』など、まさに20世紀を代表する作品が選出されています。

その中のひとつ、「ロンドン地下鉄路線図」の記事は特に興味深かったです。
現在駅で当たり前のように見ることのできる路線ごとに色分けされた幾何学的な路線図。
とても有名なのでご存知の方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが、一般的な路線図のベースになったのがこの「ロンドン地下鉄路線図」なのです。
デザインを手がけたのはHarry Beckという地下鉄従業員(電気技師)で、地下鉄の乗り換えをわかりやすくするため、それまで使用されていた路線図から駅と駅の物理的な位置関係を排除し、水平・垂直・斜め45度の直線だけで描かれた新しい路線図を考案したそうです。
これが発行されるなり瞬く間に人気となり、Beckの路線図は一般に浸透していったとのことです。

この話でおもしろいのは、Beckがデザイナーでなく、地下鉄の従業員だったということ。
誰よりも地下鉄に携わっている人が、どうすればもっとわかりやすく、快適に人々が地下鉄を使えるかを考えた末にできたことが、世界中に広まっている。
この

1.本気でそれがよくなるように考え、
2.いらないものを省いてできるだけシンプルにした結果、
3.人々の役に立っている

というのがデザインの理想の姿だと私は思います。

こうして作られたデザインは何十年経っても色あせないし、見えないところできちんと社会のためになっています。
そんなデザインができるように自分も頑張らなければ!!と思う毎日です。頑張ります!!

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