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初心者がつまづきやすいCSSのエラーとその対策

コーディングのこと

CSS(カスケーディング・スタイル・シート)は、Webページの見た目を整えるための重要な言語です。しかし初心者にとって、ちょっとした書き間違いやルールの理解不足が原因で「スタイルが反映されない」「デザインが崩れる」といったトラブルがよく起こります。この記事では、初心者が特につまづきやすいCSSのエラーとその対策を紹介します。

1. セレクタの書き間違い

症状:スタイルが反映されない

よくあるミス:

p.red-color {
  color: red;
}

上記は「p要素で、classがred-colorの要素」に対して適用されます。
classがred-colorでもp要素以外には効きません。

対策:正しいセレクタを理解する

.red-color {
  color: red;
}

特定のclassにスタイルを当てたい場合は、タグ名を含めず .class名 だけでOKです。

2. プロパティ名や値のスペルミス

症状:一部のスタイルだけが無効になる

よくあるミス:

colorr: blue;  /* "color" のスペルミス */

対策:スペルチェッカーやエディタの補完機能を活用する

Visual Studio Codeなどのコードエディタは、間違ったプロパティに警告を出してくれます。

3. セミコロンの付け忘れ

症状:次のスタイルが反映されない

よくあるミス:

h1 {
  font-size: 20px
  color: red;
}

対策:各プロパティの末尾には必ずセミコロンを付ける

h1 {
  font-size: 20px;
  color: red;
}

こちらもVisual Studio Codeなどのコードエディタでは、自動でセミコロンを付与してくれる拡張機能などが存在します。こうした機能を上手く活用していきましょう。

4. CSSファイルがHTMLに正しく読み込まれていない

症状:スタイルが全く適用されない

よくあるミス:

<link href="style.css">

上記には rel="stylesheet" が抜けています。
「rel」は「relation(関係)」の略で、リンク先のファイルとの関係性を示します。
省略するとブラウザがCSSファイルを無視してしまい、正しく機能しない可能性があります。

対策:linkタグを正しく書く

<link rel="stylesheet" href="style.css">

href内のパスはご自身の環境に合わせて適宜変更が必要です。
こちらもパスが合っていないとスタイルが反映されません。

5. 優先順位と競合の理解不足

症状:意図しないスタイルが適用される

よくある例:

/* 共通スタイル */
p {
  color: black;
}

/* 特定のクラス */
.text-red {
  color: red;
}

HTML:

<p class="text-red">赤くしたいテキスト</p>

この場合は後から書いた.text-redの内容が反映されます。
しかし、さらに強いセレクタや!importantが加わると逆転する場合もあるので注意が必要です。

さらに詳しく:詳細度のルール(Specificity)

CSSには「どのスタイルを優先するか」というルール(詳細度、specificity)があります。

優先順位の目安(高い順):

  1. インラインスタイル(例:style="color: blue;"
  2. IDセレクタ(例:#header
  3. クラスセレクタ、属性セレクタ、擬似クラス(例:.menu, input[type="text"], :hover
  4. タグセレクタ(例:div, p

同じ要素に複数のスタイルが指定されている場合、基本は上記の順番に従ってスタイルが適用されます。
また、!important をつけたプロパティは、上記のルールよりも強制的に優先されます。

p {
  color: black !important;
}

これは避けられない場合を除き、多用しないようにしましょう。

補足:より詳細なセレクタが優先される

セレクタの具体性(詳細さ)も優先順位に影響します。

.article p {
  color: green;
}

p {
  color: blue;
}

この場合、.article p の方がより具体的なセレクタなので、color: green; が適用されます。
このように具体性が高い指定があると後から記述したcssが反映されない場合があるので注意しましょう。

対策:

  • より具体的なセレクタを書く(例:div .text-red
  • !importantを多用しない
  • スタイルの競合をブラウザの開発者ツールで確認する
  • CSSの記述順や構造にも注意する

まとめ

CSSは正しく書かないと反映されないため、小さなミスでも大きな見た目の崩れにつながります。今回紹介したような基本的なエラーと対策を押さえておけば、初歩的なつまづきは回避できるはずです。困ったときは、ブラウザの開発者ツール(F12キー)を活用して原因を探ってみましょう!