2011.04.26
最近考える作業が多く、脳に糖分が不足しがちなshimantoです。しばらくEPUB関連記事で攻めていきたいと思います。
EPUBの技術書がほとんど見つからないなので、手探りで調べていくしかない状況です。今回はEPUBファイルの構造を調べていきます。adobeの「サンプルebookライブラリ」で小説やノンフィクション作品などの、eBookや電子雑誌をダウンロードできるので、このファイルを調べてみましょう。
Alice’s Adventures in Wonderland をダウンロードしてみました。拡張子が「.epub」になっています。EPUBは電子書籍に必要なファイルがzip圧縮されたものです。「.epub」を「.zip」に変更して解凍すれば中身を見ることができます。
ファイルの構成は以下の通りでした。
- chapter01~12までのxhtmlファイル
- titlepage.xhtml
- style.css
- fontsディレクトリ
- imagesディレクトリ
- META-INFディレクトリ(中にcontainer.xml)
- Thumbnailsディレクトリ
- content.opf
- page-template.xpgt
- toc.ncx
ちなみにEPUB作成用エディタSigilでファイル作成した場合のデフォルトの構成は以下でした。
- META-INFディレクトリ(中にcontainer.xml)
- OEBPSディレクトリ
- mimetypeファイル
- OEBPSディレクトリ内に以下のファイルが生成されるようです。(各ディレクトリが空の場合、そのディレクトリは書き出されていませんでした。)
- Textディレクトリ(中にSection0001.xhtml)
- Stylesディレクトリ(中は空)
- Imagesディレクトリ(中は空)
- Fontsディレクトリ(中は空)
- Miscディレクトリ(中は空)
- content.opf
- toc.ncx
各ファイルの意味は下記ページに詳細が掲載されていました。「電子書籍 ePub電子書籍の作り方2 シンプル ePUB フォーマット ガイド」以下、抜粋してまとめます。
- mimetype(必須):「俺はEPUBファイルだ」と宣言するファイル
- META-INF(必須):container.xmlを格納
- container.xml(必須):content.opfの位置を指定
- content.opf(必須):epubファイルを構成するファイルへのパスとファイル名を記述。タイトルとかmetaデータとかドキュメントのリストとか。
- toc.ncx(必須):epubファイルの目次を設定
その他設定できる項目は以下。
- fonts:ドキュメントで使用するフォントデータ
- thumbnails:リーダー等で表示される書籍のサムネイル画像
配布できるフォントがあれば指定できるということでしょうか。Webフォントの流れもありますし、フォントの使い方は幅が広がりそうです。Miscディレクトリはおそらく、音楽ファイルや動画ファイルを格納する場所ではないかと推測します。
コンテンツの作成は基本的にはHTML+CSSなので特に問題はなさそうですが、mimetypeやMETA-INFなどのEPUB独自の必須ファイルの設定を抑えることが先決になりそうです。
2011.4.27追記:
@lost_and_foundさんのご指摘を受け、toc.ncxを必須に変更しました。EPUBの仕様書を日本語化されてまして、そちらで確認させていただきました。ありがとうございます。
日本語化された仕様書は@lost_and_foundさんのブログからアクセスできます。
https://dis.ne.jp/blog/topics/2389.html/trackback